10C28Mo2は組成はCRMO7(日立の銀紙7号)とほぼ同じらしい。
今回はマトリックスアイダで両方ともCRMO7の条件で熱処理してもらった。(10C28Mo2は普通にCRMO7の条件になる)
硬さ測定は微妙なもので、その都度硬さ基準片を使って測定値を補正する必要がある。
原理上HRcの値1の違いは2/1000㎜の測定差になる。ちょっと違うが、マイクメーターを使った事のある人なら分かると思う。このぐらいの寸法測定になると非常に微妙なものになる。
数回測定してバラつきの少ない範囲を抽出して平均を取る。一回や二回程度の測定では正確な値は得られない。
10C28Mo2は生材で妙に硬い感じがしたが、測ってみたらCRMO7とあまり違いはなかった。表面を研磨してないためにバラつきがあるのと、この辺りの硬さは基準片を持っていないので真値との差は分らない。
ちょっと意外だったのは、ついでで測ってみたRWL34の生材が思いのほか硬かった事。
以前測った生材の硬さは、ATS34が20前後、ZDP189が大体31~32ぐらい、SPGⅡが22前後、RWL34は23~24程度だった。物によるのかもしれないが、RWL34の生材は案外硬めなのかもしれない。
RWL34はマトリックスアイダでCRMO7の条件で熱処理すると、概ね63前後になる。ATS34の条件でやった場合は61~62の間になる。焼き戻し条件が、硬さ重視の低温か二次硬化する高温かの違いなのだ。
このほかにD2の条件もあるが、これは焼入れ温度がATS34やCRMO7より40~50℃ぐらい低く、焼き戻しがやや高めになってる。D2の条件でRWL34を処理すると、硬さはATS34の条件でやったのとほぼ同じになる。炭化物の溶け込みがやや少なくなるので、もしかしたら耐摩耗性に有利になるかもしれない。
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