3.5incセミスキナーが出来た。自分には珍しくご注文での製作。
ブレードはS35VN、3.4㎜厚の鋼材を背側を削り抜いて、ブレードは実質2.8mm厚としている。
さすがに耐摩耗性のいい鋼材で、研磨には難儀した。いつもは2500番のヘアラインで仕上げるが、とてもそこまで磨く事は出来なかった。仕方がないので1000番のヘアライン仕上げとした。
ハンドルはアイアンウッドの瘤材を使った。鋼材とハンドル材はご注文主からの支給品だった。
アイアンウッドは板目や柾目しか使った事ない・・・というか、瘤材は高くて使った事がない。
瘤材は巣や細かい割れがあって処理に困った。表面に樹脂を塗って固めてしまうのが手っ取り早いが、それだと実用で使った場合に剝げてきてみすぼらしくなる。割れや巣は大きい部分だけ瞬間接着剤で処理して、磨いた後に桐油でオイル処理とした。天然材はオイル処理がいいと思ってる。
ハンドル材のブックマッチって二通りの考え方がある様だ。
自分の場合は本を開いて、その間にタングを挟むのがいいと思ってる。その場合はタングの外周から見て木目が合う様になる。コンシールドタングの場合はこうするべきだと思う。
もう一つの方法は開いた本をさらに開いて、表紙側にタングを挟む方法がある。これだと切った面が表面になるので、ハンドルの表裏で模様がなんとなく近くなる。(削って整形するので全く同じにはならない)
どちらの方法がいいかは好みの問題なのかもしれない。
アイアンウッドの瘤材も案外いいなと思った。
S35VNは研いでみると、やはり耐摩耗性がいいというのを実感する。滑らかな刃が付く様に、高番手まで研ぐのは難があるかもしれない。中砥ぐらいでザックリ研いで使うのがいいのかもしれない。ザクザク切れて刃持ちもいいと思う。
最近はセミスキナーのシースはトリプルステッチが標準になった。
セミスキナーって狩猟以外でも汎用性があって自分は好きなモデルだ。ドロップより研ぎやすいのもいいと思う。