しかしラブレスだとは思わなんだ。
なんとも恐れ多い・・・w
しかしラブレスのシースはよく出来ている。
こうやって自分の作った物と比べられたのは勉強になった。
こうやって自分の作った物と比べられたのは勉強になった。
せっかくなのでラブレスを観察してみる。
ブレード長128㎜、全長245㎜。ブレード身幅は約27㎜で鋼材厚は4.7㎜程度の様だ。
一応未使用の様だが長期間放置されていたのか、ブレードに錆びの跡が見られる。ATS34だと思われるが、ピンホールになって結構深い。
結構角が立っていて、ゴツゴツしたハンドル形状になっている。
しかし触った感じはなかなかいい。絶妙なんだなw
ハンドルは多分グリーンキャンバスマイカルタだと思う。ラブレスボルトはステンレスだが、この手のは快削の303なのだろうか?僅かに錆びがある。オーステナイト系ステンレスであっても、快削材は硫黄が含まれるので錆びやすい様だ。
ソングホールパイプはステンレスの様だ。径は1/4インチだと思われる。
最近思ったがラブレスの銀色のパイプはステンレスかアルミを使っている様だ。
とくに座繰りの深い肉厚の白っぽいパイプはアルミだと思われる。ラブレスでニッケルシルバーってのは無いんじゃなかろうか。
この角度で見るユーティリティブレードってカッコいいなw
刃元がリカーブしている様にも見えるが、これは刃付けで削り込んだから?・・・どう作るのが正解なんだろうか・・・
ハンドル前端が11㎜程度で中央の膨らみが17.5㎜、ハンドル後端で18.5㎜程度の厚さ。大きさの割には薄目だが、元々のマイカルタの厚みの制約もあたのかもしれない。
特徴的なフィンガーグルーブがなんともいい感じ。
ブレード身幅に対してハンドル幅が細く見えるが、グルーブがあるからそう見えるだけ。突起の高さでいうとコンベンショナルハンドルと大きく変わらない。
キリオンの部分はブレード身幅に対して5.5㎜程度と低い。
さらに細部を観察。
ブレードはとても細かいサテン仕上げになってる。バフ掛けされて一見ではミラーの様に見える。結構ザックリした仕上げだ。
ハンドル前端面の造形が面白い。ちっと面倒な加工だなw
ハンドルの磨きも粗目の研磨傷が残っていて、これをバフ掛けで仕上げているので、ここもザックリした感じになってる。
ハーフタングモデルは廉価版的なものだったらしいが、確かに全体としてザックリした作りになってる。
長い年月が経っているので仕方がないが、ハンドルの前端は剥がれて隙間が出来てしまっている。
そもそもマイカルタの溝の精度も、あまりよくないのかもしれない。
リカッソを磨く都合もあったと思うが、タングの後端に対してリカッソでは0.1㎜程度薄くなっていた。前端が剥がれてしまった理由は、これもあるのかもしれない。
そもそもラブレスは、ハンドルの接着が剥離してもハンドルはボルトで留まっているので脱落する事はない、道具として使えなくなる事はないのでそれでいいだろ・・・って考えなんだと思う。隙間が気になるなら接着剤で埋めればいい。合理的なラブレスの思想はそういう感じだったんじゃないかと思う。
ちなみに隠しボルトのハンドルはどう考えていたか・・・剥がれたらまた接着すればいいだろって考えだったと思うw
シースもしっかりした作りだ。
おそらくシースに挿しっ放しで何年も放置してあったのではなかろうか。未使用とはいえ長期放置してあっても、使おうと思えばそのまま使えそうだ。
案外ラブレスのシースってザックリした作りでもある。
コバはとくに何も塗っていない様だ。
ミシンで縫っていたそうだが、案外太い糸を使っている。
このシースは毛羽立ちの少ない床面の革を使っている。ラブレスは物によってえらい毛羽立った床面の部分を使っていたりする。
ブルハイドのダブルショルダーは部位による銀面の強度の違いは大きくないので、床面の状態によってシースの耐久性にはあまり影響がない様だ。
国内のカスタムメーカーはポーチタイプでも中子をテーパーに加工する人が多いが、ラブレスはテーパーにはしていない様だ。
裏面は平面的な成形になっている。
表面をナイフ本体に合わせた成形になっている。
ブレードの収まる位置の断面形状はエッジ側が厚くブレードバック側が薄く整形してある。ラブレスのポーチタイプは大抵そうなっている。この部分の考え方は謎だw
収めてみるとカッコいいねw
年月経って単にボロくなるのではなく、なんともいい雰囲気が出てくるのがラブレスの凄いところだな。
今回もいい勉強をさせてもらいましたw