2021年9月20日月曜日

4incユーティリティ・インプルーヴドハンドル



インプルーヴドハンドルのユーティリティが完成した。

90㎜ちょっとのブレード長なので呼びは4incとした。実際は3.5incとの中間ぐらいなサイズ。


ハンドルはUltrexのグリーン&ブラックリネンマイカルタ。0.3㎜のエビ茶色のスペーサーを入れた。

Ultrexはこの前のドロップでも使ったが、今までのマイカルタとの違いがほとんど感じない。


ブレードは3.5㎜厚のRWL34を、削り抜いて実質3㎜厚になっている。熱処理は粘り重視で高温焼き戻しとした。

ユーティリティって実は今まで1本しか作った事なかった。それも大分昔に。ユーティリティってのも短いブレードに作ろうとするとデザインが難しい。特徴と機能を十分に出すには3.5nc以上必要な気がする・・・


インプルーヴドハンドルってちょっとめんどくさいけど、作り甲斐があって面白い。

複雑な形状だがいくつか要点があって、それを守って削っていくと自然と形になってくる。

考え方は色々あるのだろう。作り手によって個性が出るのも、そう言ったところに違いがあるからなんだと思う。




 キリオンがないので、少し細身にシースを作れるのも、インプルーブドハンドルのいい所の様なきがする。

ハンドル全体の凹凸を利用してロックできるので、収まりがしっかりしていい。

インプルーヴドハンドルは好みが分かれるが、自分は実用でもなかなかいいと思っている。


2021年9月16日木曜日

刃物の組織

白紙2号の生材の600倍。横の画角が約100μm。

基地の結晶粒界に初析炭化物が網状に連なっている、画像だとはっきりしないが、結晶内はパーライト組織になっている、典型的な過共析鋼の標準組織だ。

鍛接または鍛造して使う事が前提なので、この様な組織なんだと思う。


鍛造後の組織。倍率は変わらず。

網状に連なった炭化物は粉砕されている。パーライト組織も粉砕されて、炭化物は粒状になっている。案外この状態だと焼鈍しをしなくてもいけるのかもしれない。

焼鈍しだが鍛造メーカーに話を聞くと積極的にやる人と、そうでない人に分かれる。

原理的には炭化物を球状化して分布を均一にするために、焼鈍しはやったほうがいいと思われる。

均一に分布した炭化物は、焼き入れのオーステナイト化において粒界をピン止めして、結晶粒の成長を抑える。

炭化物の粒が揃っている事で、基地への炭化物の溶け込み量も均一になる。マルテン化による膨張のムラもなくなるので、焼き割れや焼き曲りも防げると思われる。

球状化焼鈍しについては以前に書いたので、そちらを参考に・・・

http://monosuki12.blogspot.com/2019/10/blog-post_45.html


焼入れ後の組織。倍率はこれも変わらない。
鍛造後に焼鈍しをしてるのだが、都合によりその画像はない。
鍛造後と比べると炭化物が小さくなっている。焼入れにより炭化物が溶け込んだからだろう。
基地の結晶粒も細かく、炭化物も細かく均一に分布している。非常に良い組織になっている。
ナイフや包丁の様な刃物の刃先は非常に薄く鋭利な形状になる。組織や炭化物が粗いと刃先が大きく欠けるやすくなるし、そもそも鋭利に研ぎ上げる事が難しくなる。
基本的に基地も炭化物も細かい方がいい。
とくに炭化物は耐摩耗性に寄与するものだが、基地に対して硬さが非常に高く脆い。
用途にもよるが、粗大な炭化物がある事は好ましい事ではない。

 

2021年9月12日日曜日

射撃に行ってきた

久しぶりに射撃に行ってきた。

レミントンの12番の870。20incの平筒銃身にアイアンサイト。スラッグを撃つ。


先ずはレッドバードの狩猟用。

50mを座って両ひざに両肘を当てた姿勢で撃ってみる。的の中心を狙ってバラつきを見る。



レッドバードを5発撃ったところ。的にある小さな穴は、以前410番を打った時のだったかな・・・w

やや左寄りに水平にバラける。左に寄るのは以前からなので、サイトをもう少し調整してもいいのかもしれないな。

現場では気にしなかったが、画像をよく見ると穴の形がなんか変だ。横転弾になってるのか?・・・それともたまたま的の板の弾痕の状態によったのか?(的板は穴ぼこだらけなんだよなw)


今度はフィオッキ製のブリネッキを5発。

やや上下にバラつくが、案外まとまりはよさそう。ちょっと上目に着弾するのかな・・・

ブリネッキだけあって、的にしっかりギザが残ってるのが面白い。ブリネッキだけあって、ちょっと撃った時の反動がでかい。





よくは知らないが弾頭は本物(?)のブリネッキらしい。微妙に安かった。ロットウェルのブリネッキと違いは感じない。


ブリネッキを撃った後に銃身を覗くと、弾頭にある12枚のヒダの跡がくっきり残ってた。

銃身に対して弾頭はかなりきつめの大きさなのかもしれない。





最後はレミントンの狩猟用5発。

左の下寄りに着弾する様で、バラつきもやや大きい感じがする。どうも自分の銃には相性がよくない様だ・・・



 1発撃つ毎に銃身を外して掃除している。15発しか撃たなかったが、これだけカスが出た。

レッドバードが一番カスが着く。鉛カスが1発毎にべっとり着いていた。少なかったのはレミントン。レミントンは鉛カスより、燃焼ガスのカーボンが多い様に見えた。

スラッグを撃つ平筒銃身は、弾はきつめで潰れながら銃身内を抜けていく方が集弾がよくなる様だ。ガタがあると銃身内で弾が振動しながら抜けていくので、集弾が悪くなるのだと思う。

銃によって弾との相性があるっていうが、多分こんなところなんだろう・・・