2023年7月21日金曜日

工場長のめい

先週ㇴコ工場長のめいの様子が変だった。おしっこが出にくいみたい。
数年前に尿道結石ができてから治療食を与えていた。
それ以降は結石ができる事もなく元気に過ごしていた。


先週は週末が三連休だったので、お医者も休みだった。
週明けにお医者に連れて行って診てもらった。
検査をしたところ、とくに大きな問題はないが腎臓と甲状腺の数値がちょっと高めとの事だった。おしっこの検査もしてもらったが、とくに結石の兆候はないとの事で安心した。
腎臓は高齢のㇴコには仕方がないところがある。
甲状腺は何だろか?と思ったが、これも年取ると悪くなってくるものらしい。
とりあえず様子を見て秋頃にまた検査して、必要なら薬を服用しましょうとなった。
今週後半には元気になってきたから、急に暑くなって夏バテ気味だったのかもしれない。


 めいは今年の9月で15歳になる。
最近体重減ってきたか?と思ったが、去年より100gほど減ったが5.3㎏あった。
最盛期で6㎏ちょっとあったが、歳相応に徐々に減ってきたみたいだ。
じゅんの時もそうだったが、ㇴコも13歳を越えると歳を取ったなと思えてくる。
あんこがいた頃は二匹でチョロチョロ工場と事務所を遊びまわっていたが、ここ数年は寝てばかりが多くなってきた。

病院で新しい子どうですか?と聞かれた。欲しい気もするがどうしたものか。
最近は猫って野良が少なくなって、捨て猫は滅多にいないらしい。
猫は買ってくるか保護猫を貰ってくるのが多くなってるんだとか。
そういえばうちの周りもこの10年ぐらいで野良猫が大分少なくなった。そうしたら急にネズミが増えてきた。
やっぱり野良猫もある程度はいた方がいいらしい。色々問題もあるのかもしれないが、ある意味自然の一部として機能していたのだろう。
めいも元は野良だったんだよなw

2023年7月9日日曜日

セミスキナーとドロップ

セミスキナーとドロップが完成した。


先ずはセミスキナー。

3.5incより僅かに大きいが、面倒だから呼びは3.5incという事にしとくw


ブレードは武生のスーパーゴールドⅡ(SPGⅡ)を低温焼き戻しで使った。SPGⅡは粘りがあるので、自分の場合硬さの出る低温焼き戻しで作る事が多い。

ヒドゥンタングって言うんだっけ?、厚物のグリーンキャンバスマイカルタにタングが突き刺さる構造になってる。
あえてピン留めはせずに、エポキシ接着剤だけで固定している。用途的に、これで十分だと思っている。
ヒルトは圧延材のニッケルシルバーに、ソングホールのパイプはあえて真鍮にしている。

4㎜程度あった鋼材だったが、背側を削り抜いて実質2.9㎜にしてある。フラットグラインドはこのぐらいの厚さでないと使いにくい。
削り抜くのは厄介なのだが、厚みの異なる鋼材を用意する事を考えれば、この方法も悪くはないか・・・

今回のセミスキナーとドロップの仕上げは1500番のヘアラインとした。
SPGⅡはものによって磨きにくい時がある。(何が違うのかは、組織を観察した限りでは分からない・・・)
この2本は生材の状態で磨きにくかったので、いつもの2500番のヘアラインでなく1500番とした。磨きにくい鋼材は番手の高いヘアラインはきれいに引けないので、このぐらいがいいと思う。

シースはセミスキナーなのでトリプルステッチにした。

次はドロップ。
これも3.5incより微妙に大きい。
いつもよりリカーブを大きくして、頭でっかちを強調してみた。
ドロップの機能を考えると、これぐらいにしてみてもいいと思う。

これもブレードはSPGⅡ。低温焼き戻しにしている。

ハンドルとフィッテイングの構成もセミスキナーと同じ。
材料全てが同じものから取ったので完全に兄弟ナイフだ。

これも削り抜いて2.9㎜としている。

ドロップは普通にダブルステッチとした。

このハンドル構造はボルトやピンがないので、見た目がシンプルなところがいい様に思う。
これもテーパータングともハーフタングとも違う手間があるが、面白味があるのでやっぱり好きだ。
しかしヒルトの加工が縦フライスが持ってないので厄介だ。
次にやる時は違う方法でやってみよう・・・










 

2023年7月7日金曜日

magnacutの熱処理


magnacutの試験片を熱処理した。
マトリックスアイダでATS34の条件とCRMO7の条件とmagnacutとして、三種類の条件で熱処理した。

とりあえず二つに分ける。
こういった事はあまりやった事がないが、案外砕ける様に割れるんだな。

硬さを正確に測るには、硬さ試験機のベットとの接触面の平面が出ていないといけない。
表面を磨いて思ったが、熱処理前に平面を出していてはずなのに結構歪んでいる。
焼鈍さなかったのが原因か。使う時は焼き鈍した方がよさそうだ。

硬さを測った。

概ねこんな感じ。
思った通りだった。
magnacutはオーステナイト化温度が高い必要がある事と、真空炉の気体冷却では冷却速度が足らないからなんだな。
しかしCRMO7の条件なら60ちょうどぐらいにならないかと期待したのだが・・・
オーステナイト化温度は1120℃が適正らしいが、普通のハイスでは温度が高すぎになるので、この中途半端な温度は困ったものだ。
ソルトバスで冷却も油冷を指定してやる方法もあるかもしれないが、絶望的な肌荒れとエッジは薄くできないのでS&Rの方法では無理だ。

以下は組織を観察してみた。
マトリックスアイダATS34の条件150倍。


マトリックスアイダATS34の条件600倍。


マトリックスアイダCRMO7の条件150倍。


マトリックスアイダCRMO7の条件600倍。


マトリックスアイダMagnaCutの条件150倍。MagnaCutとして熱処理したが、実際はD2(SKD11)の条件の様だ。

マトリックスアイダMagnaCutの条件600倍。

600倍は横の画角がちょうど100μm。
マトリックスアイダだとATS34とCRMO7のオーステナイト化温度は同じだが、magnacutの条件はD2と同じと思われるので、ATS34やCRMO7より数十℃低い。
焼き戻し温度はATS34は二次硬化する高温焼き戻しで、CRMO7は硬さを優先するため極低温の焼き戻しになる。D2は低温であるものの、二百数十度の焼き戻し温度となっている。
熱処理後の組織は三通りの条件で本質的な違いは見られない。

表面磨いた感じでは非常に磨き辛い。耐摩耗性は抜群なのだろう。
硬さが低くてもこの耐摩耗性ならば、案外使えるのかもしれない。

ちょっと考えがあるので、もう片方の試験片でさらに実験してみる。