2024年4月13日土曜日

三本完成



三本出来上がった。

今回はハーフタングのシリーズ。三本ほぼ同じ大きさで、3.5incよりちょっとおおきいので、呼びは4incとしておく。


先ずはドロップ。

ブレードはスーパーゴールドⅡを使った。
4㎜ちょっとあった鋼材を背側を削り抜いて、ブレードは実質3㎜程度にしている。

ハンドルはグリーンキャンバスマイカルタの厚物。ラブレスボルトはインチサイズで、ソングホールパイプは真鍮を使った。

これの面白味はフィンガーグルーブがあるところだろうか。
ラブレスの本物のハーフタングのモデルはもうちょっと薄い形状なのかもしれないが、厚物のマイカルタを目一杯使ってボリュームを持たせた形状にしている。

キリオンが低いので、シースはやや細身にできた。

二本目はユーティリティ。


これもブレードはスーパーゴールドⅡ。ドロップと同じ鋼材から取った。これも背側を削り抜いて3㎜程度のブレード厚としている。
スーパーゴールドⅡは物によって磨きにくい事がある。今回も磨きにくい物だったので、ドロップとこのユーティリティの仕上げは1500番のヘアラインとした。

ハンドルもドロップと同じくグリーンキャンバスマイカルタ。
インチサイズのラブレスボルトにソングホールは真鍮を使った。

これもハンドル材の元の厚みを目一杯使った形状とした。

シースは標準のダブルステッチ。

三本目もユーティリティ。鋼材とハンドル材支給による、自分にしては珍しい御注文による製作。


これはブレードにELMAXを使った。4㎜程の厚みなので、これも背側を削り抜いてブレードは実質3㎜程度としている。

ELMAXも磨き難い鋼材なので、仕上げは1500番のヘアラインとした。

ハンドルはアイアンウッド。インチサイズのラブレスボルトに、ソングホールは真鍮を使った。

アイアンウッドでハーフタング構造にするのは、上手く溝が切れるかが心配だった。やってみたらマイカルタそれほど変わらず加工できた。

溝切ると開いて隙間ができるか?とも心配したが、これも大丈夫だった。経年変化が心配ではあるが、アイアンウッドならば案外平気なのかもしれない。


これもボリュームを持たせた形状に成形した。

ハーフタングって結構軽くなるのだが、今回作った三本は鋼材元厚が4㎜程度だったので、ハーフタングにしてはやや重い作りになってしまった。タングに肉抜きすればよかったのかもしれない。


これもシースはダブルステッチで。
ラブレスが使っていたという革を使っている。ブルハイドのダブルショルダーで、銀面が強固でヘタリにくい。国産から比べるとえらく高いが、それだけのけの価値はあるw

2024年3月10日日曜日

ELMAXの硬さ

鋼材支給のご依頼で、ELMAXを使う事になった。ハーフタングのユーティリティを作る。
ついでなのでSPG2でもハーフタングで作ってみる。
ELMAXとSPG2はマトリックスアイダでCRMO7の条件で熱処理してもらった。



硬さを測る。

ELMAXは以前試験片で調べた時より若干硬さが高いが、低温焼き戻しだと概ねこんな感じなのだろう。
マトリックスアイダの熱処理条件は三通りあって、①ATS34、②CRMO7、③それ以外、となっている。
③の条件というのはD2に適した条件で、オーステナイト化温度が①と②より40℃ほど低く、焼き戻し温度が200数十℃となっている。
SPGⅡやELMAXはオーステナイト化温度が高めのため、そのまま出すと硬さが低くなってしまう。そのためにCRMO7として熱処理してもらっているのだ。

ELMAXのカタログより。
以前の考察でも書いたが、真空炉での気体冷却では硬さが出にくい様だ。
画はCCT曲線だが、硬さを十分に出そうと思うと60秒以内での冷却が必要の様だ。
D2のCCT曲線を見ると冷却に10分ちょっと掛かっても十分に硬さが出ている。

今までやってみた経験から、SPGⅡ、S30V、S35VNMAGNACUT、などは真空炉の気体冷却では硬さが出にくい。VG10もその傾向がある様だ。
理由は以前考察したが、Vの含有量によるものと思われる。(VG10の場合はCoの含有量のためと思われる)
ソルトバスなどで油冷を指定すればいいのかもしれないが、薄く削ったS&Rだと歪みと肌荒れが絶望的だ。





ELMAX磨いた感じはSPG2に似ている。
磨きやすくはないが、S30VやS35VNよりはマシだな・・・w

 

2024年3月7日木曜日

技能講習

ライフルの技能講習行ってきた。

この射場来るのは教習射撃以来だ。

完全室内なので反響音が凄いw


308のサコーのボルトで受けた。

弾はノルマの155グレイン射撃用のフルメタル。

50mを座って両膝に両肘を乗せて10発続けて撃った。

前回射場で撃って以来だった。その時も右下気味だったが、今回もそんな感じか。もしかしたら引き金のガク引きなのかもしれない。いずれにしろ纏まりが悪いな・・・

技能講習は以前の落とす講習会ではなくなった様だ。余程の事がない限り落とさないとの事。的の点数もとやかく言わないらしい。

ウィンチェスターのm94でオープンサイトでも行けたかもしれない。




 

2024年2月17日土曜日

キジ貰った

ナイフメーカーの金井さんが来て、お土産にキジを貰ったw
終猟日に獲ってきたそうだ。

内臓は抜いてくれてた。とりあえず毛をむしる。
熱湯に漬けると抜けやすい。とはいえ鳥の毛むしるのは大変w

丸裸になったら、なんだかニワトリに似てるな。
キジ食うのは初めてだw

精肉した。
鳥の解体は今一分からんだな・・・

ガラで出汁取って鍋にした。
地鶏に似てるとの事だったが、確かにそんな感じだ。
やや硬めの肉質だが、味わいがあって美味しい。シンプルに塩味だけでいけたw
金井さん、ありがとうございます~

食ってたら弾が出てきた。
白いのは鉄弾だった。
鳥撃ちも面白そうだな。
やってみたいが、そんな余裕がないのがなんとも・・・w



2024年2月12日月曜日

今猟期最後

昨日の出猟が今猟期最後だった。
この日は朝から小雪が舞っていた。
今回タツマを張った場所は自分はタツマとして行くのは初めてだった。以前勢子でよく行ったが、タツマがどう張られていたのかはよく知らなかった。
比較的上のタツマに入ったが、行く間に無数の足跡があり鹿の警戒音も聞いた。猟場の下の方に獲物が集まっている感じだった。


後半からは晴れてきた。
下の方では「五六頭行った!」とか聞こえるが銃声は聞こえない・・・
勢子が近づいたが一向に獲物の気配はなかった。
結局タツマには掛からなかった。
解除になって分かったが、下のタツマでゾロゾロと切られた跡があったらしい。たまたまそのタツマは気がつかなかったらしい・・・


タツマには掛からなかったが、勢子が一頭鹿を獲っていた。
回収を手伝いに回る。中くらいの若い雄鹿が獲れた。ボウズじゃなくてよかったw

解体中にスラッグが出てきた。留矢に至近距離から撃ったらしく、ワッズまでくっ付いていた。20番のレッドバードの弾みたいだな。

 猟仲間は最終日までやるらしいが、自分はこれでお終い。
事故なく終われた事と獲物を獲らせてもらった事を、山の神様に感謝したい。
今猟期も楽しめたw

2024年2月4日日曜日

猟場の探索

土曜日の出猟。

この日は人数が集まらなかったので、猟場周辺の偵察となった。

久しぶりに上の方まで上がってみる。

2000mm近くあるので木が凍って寒そうだ。




天気がよくて遠くまで見える。

この日は偵察のあと解散になってしまった・・・

暇だからタツマの回りの確認がしたかったので、一人で山に入ってみた。

この前の日曜日のタツマに行ってみた。このタツマは何度も来て、獲物が何処から出て何処に向かうかは大体分かるのだが、来る方の手前と向かった方の先がどうなっているのかよく分かなかった。


大分歩き回って地形が理解できた。

毎回獲物が急に出てくる様に見えていたが、何の事はない、手前に小尾根があって来る方が死角になっていただけだった。

それとこのタツマは毎回必ず獲物が出てくるのだが、手前に所々の険しい箇所があり、それを避けると必ず通らなければいけない場所になっていた。なるほど上手い事できてるんだな。

以前勢子で歩き回ってはいたが、タツマからどう見えるかまでは考えていなかった。たまにゆっくり歩いてみるのもいいものだな。


帰りに猟仲間のところに寄って鶏を一羽貰った。

烏骨鶏なのだが、何か混ざって少し雑種になってるらしい。卵を見えない場所に勝手に生んで雛が生まれて増えちゃったんだとか。

年寄りの雄鶏を絞めて毛をむしって貰ってきた。



 鳥の解体は滅多にやらないので、なんだか上手くできないだな・・・

焼いて食ってみた。少し硬いがなかなか美味い。

鳥の解体は鹿より難しいなw


2024年2月1日木曜日

巻狩の楽しみ

日曜日の出猟。
今回はこの前鹿二頭獲った場所をやった。タツマも同じ場所で、ここは何度か鹿を獲ってるので、獲物の出方は大体分かってきた。
序盤の勢子がまだ遠い時に上のタツマで銃声が聞こえた。その方向を見ると一頭の鹿が自分のタツマとの間を通て小尾根に向かおうとしている。
前回はバックストップが無くて撃てなかったが、今回はよく確認して撃ったみた。雌の鹿の様だったが、撃った瞬間に見えなくなった。
そのままだと小尾根を越えて逃げられると思い、小尾根の方に走ってみたが、鹿はこっちには来なかった。上のタツマの話では戻っていったとの事だった・・・残念w

中盤で勢子が大分近づいた頃に、二つ上のタツマが「五六頭行くぞ、警戒」と無線が聞こえる。警戒してみているが、谷を挟んだ向こう側のはるか上の方でガラガラと音が聞こえる。しかし立木が生茂り全く見えなかった・・・

終盤で勢子がすぐ近くまで来た頃に、正面の斜面に鹿が一頭ちらちらと見えた。ちっと遠い・・・100㎜ちょっとあるか。
この日持って来ていたのはレバーアクションのm94だった。アイアンサイトで狙ってみるが微妙だ。
立木と藪越しになって姿がはっきりしないが雌の鹿らしい。一瞬止まったところで撃ってみた。
鹿は転んでしゃがんだ様だ。止め矢にもう一発撃った。まだ首を振ってる。もう一発撃つ・・・止まったか?
動いてるうちは位置が分かるが、止まってしまうと立木と藪で位置がよく分からない・・・


解除になってから見に行ったが、獲物の姿が何処にもない。
撃った場所には血痕があった。
所々ある血痕を辿ってみたが途中で見えなくなって分からなかった。
その先は険しい場所で探すとなるとえらい事になるので、諦めましょうという事になった。
多分近くに落ちているのだとは思うが、落ち葉の吹き溜まりも沢山あって、その中に入ってしまったら見つける事は困難だ。こんな時にワンコがいてくれるといいのだが、今はうちのグループには一頭しかいないので仕方がない・・・


まだ山葡萄の干しぶどうがあった。
案外美味いので好きだw

この日は作戦参謀たちが偵察中に獲っておいた雌鹿一頭だけだった。
結構でっかい鹿で、栄養状態もよく美味かったw


猟仲間が山崎さんのナイフらしいと持ってきた。
確かに山崎さんの物みたいだが、ブレードは日本刀の残欠の様でとても柔らかい。
分厚くて鈍角だから使い勝手は・・・?

モラナイフって新品は片切刃なのか。
これは普通に研げた。

これは返りが盛大に出る割に、返りがなかなか取れなくて、切れる刃がなかなか付かない。
鋼材が違うのか熱処理に問題がある様な気がする。
この手のも使い勝手は微妙・・・w
トヨクニ辺りで売ってるんだっけ?
白紙か青紙の積層鋼らしい。

悪くはないのだがブレードべベルはグラインダーで削りっぱなしの様で、凸凹あって初めの頃は砥石で研ぐと、刃先が研げなかったりべベルの途中が砥石に当たらなかった。
研ぎ込んで大分マシにはなったが、まだもうちょっと研ぎ込まないといけない。
刃欠けが消える頃にはちょうどよくなるかもw

狩猟はナイフ作りの勉強と思って始めたが、猟仲間達のナイフを研がしてもらうのが結構勉強になった。
カスタム(ラブレスもあるw)から怪しげな自作まで、皆色々なナイフを使っている。
そういった物を実際どう使っているかを見るのはとても参考になる。
グループによる巻狩のいいところだと思ってる。