2020年8月8日土曜日

熱処理条件の違い

3incセミスキナー出来た。
ハンドルはブラックキャンバスマイカルタにエビ茶色の薄目のスペーサーを入れた。
たまに真鍮をヒルトに使うが、ハンドルによっては色合いが映えていいかもしれない。
ブレードは3.5㎜厚のRWL34を削り抜いて、実質2.6㎜厚にしている。
今回は熱処理条件が手違いでD2の条件になっている。
硬さはいつもの高温焼き戻しでやった場合とほぼ同じで、HRcで61.8だった。
念のため金属顕微鏡で組織観察したが、全く問題なかった。(条件的に問題がない事は分っていたが)
何が違うかというと、D2の条件だと焼入れ温度が低く、焼き戻しの温度がやや高めになっている。
ATS34とCRMO7はちょっと特殊で、焼入れ温度がD2などから比べると高い必要がある。(Mo含有が多いから炭化物が固溶するのに温度が必要なため)
マトリックスアイダの熱処理だとATS34とCRMO7はD2などとは別の炉で焼入れするそうだ。D2は焼入れ温度が低めでないと過熱組織なってしまう。
ちなみにATS34は二次硬化する500数十℃の焼き戻しで、CRMO7は硬さを稼ぐために160℃近辺の極低温の焼き戻しになっている。
D2の焼き戻し温度はダイス鋼の硬さと靭性のバランスの取れる200数十℃近辺になっている。
自分の場合RWL34やSPG2を高温焼き戻しでやる場合は、マトリックスアイダでATS34の条件でやって、低温焼き戻しの場合はCRMO7度条件でやっている。
RWL34は高温焼き戻しでHRcで61~62、低温焼き戻しの場合だと63~64になる。
RWL34のD2の条件だとどうなんだろうか?・・・焼入れ温度が低めなので固溶する炭化物は減るはずだ。硬さが高温焼き戻しの場合と同じでも特性に差はあるかもしれない。
しかしどちらがいいかは微妙だ。そもそも差を感じるほどの違いなんて分からないかもしれない。
いずれにしろ手違いで意図した熱処理条件になっていないので、これは表には出せない。
自分のコレクションにでもするか・・・
 なかなかいい出来ではあるのだが、まあ仕方がない。
こうやって自分用がたまに残るのも悪くはないかw

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