この前の日曜日の出猟。
しばらく行けてなかったがので久しぶりの山だ。
前日ぐらいに雪が降ったらしく、結構積もっていた。
前回入ったタツマの担当になったが、ちょっと上がった場所がいいとの事でそこに入った。
見渡せる範囲は狭いが、想定する獲物の通りは狙いやすい。
この日は初めからあちこちのタツマで獲物が出た。
自分のところでもガサガサ音がしてきて警戒してると、立ち木の向こうにチラチラと見えてきた。
狙いを付けつつ追って見てると、小尾根の上がったとこに出て横向きの姿が見えた。角のない雌鹿一頭か。
ウィンチェスターのm94、アイアンサイトを胴の真ん中に合わせて撃った。ちょっと遠い。
撃った瞬間鹿は視界から消えた。小尾根の向こうに落ちたのかもしれないが、半矢で行った可能性もある。下のタツマに連絡するが、一向に銃声は聞こえない・・・
確認に行きたいが、他のタツマで景気よく鳴っている。
下の方のタツマから「上の方を雌鹿がゾロゾロ行ってる」と聞こえる。
そのまま来ると自分のところに出るかもしれない。
待っているとガラガラと音が近づいてくる。
狙っているとはじめの一頭目と同ところに出てきた。
そのまま降りてきてタツマに近づきそうだったので、いいところで撃とうと狙いを付けていると、鹿は日陰から日向に出たところで急に走り出した。
鹿や猪は日陰を好んで移動するもので、日向はなるべく通らないとベテランから聞いていた。
気取られた訳ではない。鹿はそのまま自分のタツマに向かって全速で走ってきた。
あっという間に20mもない位置まで来た。慌てて撃つが目の前を右に曲がって行く。雌鹿ばかり5~6頭ほどの群れだった。
いいところに出たが近すぎる・・・狙いの付く鹿に次々撃つが、群れは上の方に逃げていく。
弾を撃ち尽くして、上のタツマに群れが行った事を伝えると、銃声が何発か聞こえた。「戻ったぞ!」と無線が入って警戒するが、一向に来ない。切られたか・・・
解除になってから初めに撃った場所を見に行った。小尾根はタツマから70mの距離だった。
鹿は小尾根から向こう側に30mほど転がり落ちて木に引っ掛かっていた。雌鹿かと思ったが若い中くらいの雄鹿だった。くくり罠に掛かったらしく右前足が無かった。
弾は背骨を貫いていた。狙ったとこより上目に中っていたのは距離が70m程度だったのと、タツマからは撃ち下ろすカッコだったからだろうか。
現場で解体して回収する事になった。足場が悪くて難儀した。
和鹿や猪なら2インチもあれば十分解体はできるが、効率よくやるにはやっぱり3.5インチぐらいがいい。
山から上がってくる頃には、日向の雪はほとんど無くなっていた・・・
この日は鹿6頭獲れて、久しぶりの大猟だった。しかし目の前ゾロゾロと逃げられてしまったのは悔しかったw
水もない現場で解体すると、ろくに拭う事もできず、血みどろのままシースに挿して帰ってくる。
汚れたら洗ってしまえばいい。
革シースだって意外と水に強くもできる。
革はコラーゲン繊維が絡まった構造だが、繊維の潤滑に油脂が必要だ。
変質せず抜けにくい油脂を均一に染み込ます事か肝心だ。
タレってのはそういったもの。
案外革シースってのは実用的だ。
ある程度消耗品である事をは確かだが、砥減ってナイフ本体が寿命になるまでシースも持てば理想だと思っている。