用意したのは温度計。
加熱してみて磁気変態点のキュリー点で磁石が吸着しなくなるってのを見てみたくなった。
頑張って加熱してみたが、760℃までしかいかないな・・・
鉄のキューリー点は約770℃らしい。
磁気変態は漸進的に起こり、770℃で急激に変化するそうだ。
確かに加熱していくと徐々に磁石の吸着力が弱まり、760℃では僅かに吸着する程度になった。
もうちょっと加熱できれば吸着しなくなるんだろうか・・・
プロパンバーナーだとこのぐらいの温度になると均一な加熱が難しい。
今度は七輪でも使って炭火でやってみるかw
ところで磁気変態はオーステナイト相に変態するからではないそうだ。相変態の様な結晶構造の変化によるものではない。
それよりも根本的な原子内のエネルギーによるものらしい。磁性の原理を考えれば確かにそうだ。
ここで不思議なのは304の様なオーステナイト系ステンレスだ。これらは常温で常磁性(磁石に付かない)だ。
これもよくよく考えると、オーステナイト系ステンレスはオーステナイト相が過冷却によって常温でも保たれているのであって、この状態はエネルギーが高い状態にある訳だ。
オーステナイト系ステンレスは叩き潰したり折り曲げたりといった加工を施すと、マルテン化して磁石にくっ付く様(強磁性)になる。これはマルテン化する事で原子内のエネルギーが低い状態になるからなんだな。
鉄のキュリー温度は溶け込んでる炭素や合金元素によってほとんど変わる事はなく、約770℃で一定らしい。
やや炭素量の多い過共析鋼の焼入れ温度を判断するには、磁石を使うのは確かにいい方法なのかもしれない。
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