2022年5月3日火曜日

本物のモデルガン?

 散弾銃を所持してから10年経ったので、ライフルの所持許可の申請していた。
先日許可が下りて、晴れてライフルを持つ事ができた。
数年前に銃砲店に取り置きしてもらった一丁と、猟仲間から貰う事になったのと合わせて、二丁同時申請になった。
先月初めに申請書類をだしたら、二週間ちょっとで許可が下りた。一か月以上は掛かると思っていたので拍子抜け似た。
申請時はさすがに二丁何故必要なのか?と聞かれたが、一丁目がスコープが取り付けられないので、技能講習でスコープ付きを持っていたいのと、タツマと勢子で使い分けたいという事で理解してもらった。


一丁はウインチェスターのセンチネル66、20inc銃身のカービン。
ウインチェスターが100周年の時に記念モデルとして作った物らしい。

モデル名が66だが、実際はM94でM66で真鍮製だった機関部をメッキして真鍮風にしている。だから銃砲店の社長曰く「本物のモデルガンなんだ」との事w
鉄の機関部に真鍮メッキなのかと思ったが、調べたら金メッキらしい。
今でもアメリカだと箱入り新品のデッドストックが出回ってるらしいが、この銃はほとんど使った形跡がなく非常に状態がよかった。


弾は30-30。本物のM66だと拳銃と共用の弾なので45口径なんだろうか?
オクタゴンバレルなので30口径だと無駄に肉厚があって重い。マズルジャンプしにくくなっていいんじゃないかとの事だが、果たしてどうなんだろうか?
それでも重量は3.1㎏と軽い。以前持ってたM9410とそれほど変わらない感じだ。


M94斜めに排莢するアングルエジェクションだったが、これは真上に排莢する。そのためスコープを付けるにはオフセットマウントになる。
オフセットマウントは構造上剛性が弱いので、結局のところスコープは付けない方がいい。
そもそも命中精度がどうなんだろか・・・前に持ってたM9410はどうにも集弾が悪かったが、ライフルだからなんとかなるだろうw
今はウィンチェスターのレバーアクションはミロクが作っているらしい。本当ならミロクの新銃が欲しいところだが、日本で販売していないのが残念だ。

もう一丁はサコーのフルストック。何てモデルなのかは分からない。
10年前に最初の一丁のM870を貰った猟仲間から今回も貰った。
猟仲間も誰かから貰った物らしいが、自動銃を使う様になってからは使ってなかったとの事。結構古い銃らしい。


ボルト銃でスコープも付いているが3.6㎏と意外と軽い。
長年酷使されていて外見はくたびれているが、まだ十分に使えるだろう。

よく見ると銃身先の部分のストックは別パーツになってる。フルストック風にしてあるんだなw
弾は308。タツマで使うにはよさそうだ。

2~7倍のスコープが付いていた。猟場なら2倍で使って十分かもしれない。
レンズは傷だらけだが、とりあえず十分見えるからいいだろう。

散弾銃だとどうしても半矢で逃げられてしまう事が多かった。獲物を確実に仕留めるためにもライフルはどうしても欲しかった。
しかし10年は長かったが、思い起すとあっという間でもあった。
猟を教えてくれたナイフメーカーの榊原さんが亡くなって9年も経つんだもな・・・














2022年4月27日水曜日

素揚げする



10C28Mo2で二本作っている。熱処理から帰ってきた。
大判の鋼材から切り出したので、この二本は兄弟みたいなものだ。
酸化膜の色合いがいつもより白い・・・ちょっと気になった。

このところ熱処理が上がったら硬さを測る事にしている。
自分でデーター取りする事で面白い事も分かってくる。

いつもなら大体60いくかどうかという硬さなのだが、1近く硬さが高い・・・なんか変だ。
バラつきは大体鋼材で±0.5程度、熱処理で±0.5程度になる。
しかし今回の鋼材は大判で買ったもので、以前に作った物を測った硬さからして、ここまで高めに出るのは不自然だ。
熱処理のバラつきが大きかったと思われる。考えられるのは焼き戻しのバラつきだろう・・・

念のため焼き戻す事にした。
元々焼き戻しの条件は極低温なので、焼き戻しが甘いと靭性に問題が出る可能性がある。この辺りの靭性は動的?な刃欠けというより、疲労強度に影響すると思われる。刃持ちに出てくると考えている。
あまり戻しすぎると硬さが落ちすぎるので150℃を目標にしたが、コンロの火力の都合で153℃近辺でエンジンオイルで煮てみた。2時間この温度を保持して、引き上げて水冷した。


概ね1近く硬さが落ちた。これなら標準的な硬さだ。

念のため金属顕微鏡で組織も観察してみた。


600倍で横の画角が約100μm。 
硬さが高くなる原因はオーステナイト化温度が高い可能性の考えれれる。その場合、炭化物が過剰に溶け込むので大きさが小さくなり分布も少なくなる。
今回は研磨とエッチングが今一だが、以前観察した物と比較して見ると遜色はない。
炭化物の大きさ分布とも問題はないので、やはり焼き戻しのバラつきの様だ。
硬さは低い方より高い方にバラつく場合は要注意だ。靭性や組織に問題があるかもしれない。硬さが高いからといって単純に喜べるものではない。

2022年4月24日日曜日

一品物?

一本完成。

ブレード形状的にはケーパーに近いか。型を作らずに気分で切り出して作った。型がないので同じ物は作れないw


ブレードはサンドビックの10C28Mo2の2.5㎜厚を使った。長さは約3inc。

10C28Mo2はCRMO7と同等との事だが、若干硬さが高いのでなかなかいい鋼材だと思う。


ハンドルは白骨化した和鹿の角を鉄漿で染めた物を使った。

鉄漿と言っても鋼材の削りカスを酢に漬けた酢酸鉄の溶液を塗って、そのあとに緑茶を塗ってタンニン鉄に置換する事により定着させた。


ヒルトはニッケルシルバーだが、ピンとソングホールのパイプは真鍮を使った。


ハンドルは前端を絞ったが、後端に掛けてはボリュームを持たせた形状にした。
貼り合わせのハンドル構造はちょっと厄介であるが、模様と元の角の形状が生かせて結構好きだ。

エポキシを充填しているがハンドルお尻の髄が見える様にしているのも、生きていた証の様な気がしてわざとこのままにしている。



 シングルステッチで細身に作るべきかと思ったが、ダブルステッチで作ってみた。

シングルに遜色ない程度にコンパクトに収まる様にはしてみた。シースは一度作ったのが気に入らなかったので作り直した。作り直してよかったw

2022年3月12日土曜日

S35VN

ご依頼でS35VNを使う事になった。
組成からして焼入れのオーステナイト化温度が高目でないといけない事は分かっていた。
二次硬化する高温焼き戻しで使うべきか、それとも硬さと耐食性で有利な低温焼き戻しで使うべきか悩むところだ。
とりあえず端材で試験片を作って調べてみる事にした。

硬さを測ってみた。
S30Vと比較してみたが、やや硬さが低い様だ。しかしこのぐらいの違いは鋼材と熱処理のバラつきもあるので、実際のところは何とも言えない。
しかし概ねS35VNとS30Vは傾向がよく似ている事は分かった。

ちなみにだがマトリックスアイダのATS34とCRMO7の熱処理条件は、D2などよりオーステナイト化温度が数十度高い。ATS34は二次硬化する高温焼き戻しで、CRMO7は硬さを稼ぐために低温(D2より数十度低い)焼き戻しになっている。
あまり知られていないがCRMO7もオーステナイト化の温度が高目である。炭素量に対して炭化物傾向の高いMo含有量が多いので、炭素を固溶するのに温度が高い必要があるから。

S35VNとS30Vの資料を見直してみると、熱処理条件による硬さの特性は全く同じ事が書いてある。
テンプレートで同じにしてしまったのかと思っていたが、試験片の結果から見てほぼ同じ特性なのは間違いない様だ。


 注意書きが小さく書いてあるのだが、真空炉での気体冷却だと硬さがHRcで1~2低くなるとある。
以前考察したが、おそらくVの含有量が多くなると冷却速度を速めないと硬さが出にくくなるのだと思われる。
スーパーゴールドⅡもその傾向があって、同じ様な事が武生の資料に書かれていた。
究極的にはソルトバスで油冷却を指定すればいいのだが、ソルトは肌が絶望的に荒れるし、油冷却では薄いエッジは変形する可能性がある。そのため削り代を残して処理しなければいけなくなるが、あとの手間が大きくなってしまう。結局掛けた手間に見合う性能向上になるのかという問題になる。コストもあるのである程度の割り切りってのは必要だ。

S35VN生材600倍。
600倍は横方向の画角がちょうど100μmになる。

S35VN生材150倍。

S35VNマトリックスアイダCRMO7の条件600倍。

S35VNマトリックスアイダCRMO7の条件150倍。

S35VNマトリックスアイダATS34の条件600倍。

S35VNマトリックスアイダATS34の条件150倍。


S30V生材600倍。

S30V生材150倍。

S30VマトリックスアイダCRMO7の条件600倍。

C30VマトリックスアイダCRMO7の条件150倍。

S30VマトリックスアイダATS34の条件600倍。

S30VマトリックスアイダATS34の条件150倍。

S30VとS35VNの組織はよく似ている。
高温と低温の焼き戻しも、基本的には大きくは違わない。生材と比べると幾分炭化物が固溶して小さくなっている。基地の粗大化も見られないので、オーステナイト化温度は適正な事が分かる。

エッチングで気がついたが、高温焼き戻しより低温焼き戻しの方が腐食しにくかった。
高温焼き戻しは二次硬化するのに微細な炭化物の析出がある訳だが、その時に基地に固溶していたCrが炭化物に食われてしまう。このため幾分耐食性が不利になる。
しかし経験上だがATS34やSPGⅡなどで見ていて、実用では低温と高温焼き戻しでは大きな差を感じる事はない。

ご依頼でS35VNでセミスキナーを作ってる。
試験片の結果から低温焼き戻しで熱処理してみた。
生材の状態で1000番以上の掛かりが絶望的だった。
1500番までは掛けたが、熱処理後はどうなんだろか・・・














2022年3月10日木曜日

10C28Mo2

 10C28Mo2のブレードを熱処理に出してた。
マトリックスアイダでCRMO7の条件で熱処理した。

酸化被膜は錆びの原因になるので、徹底的に落としておく。

とりあえずブレードの酸化被膜を落とす。

硬さを測ってみる。


硬さは前回とほぼ同じだった。
CRMO7が概ねHRcで59ぐらいなので、10C28Mo2はそれより1程度高くなる。
10C28Mo2の資料を見るとNが僅かに添加されてるらしい。もしかしたらこれが硬さに効いているのかもしれない。
組織観察してみると炭化物は細かく均一で、よくできた炭素鋼に近い組織になっている。一次炭化物が無いと言われるCRMO7だが、実際には微妙に残っている。10C28Mo2
にはそれが全くない。案外CRMO7よりいいのかもしれない。



2022年3月7日月曜日

今年の謎のみかんジャム

もう一か月前ぐらいになるが、みかんジャムを作った。
毎年親戚のところから貰う謎みかん。生で食っても美味くはないのだが、ジャムにするにはなかなかいいw
皮向いて千切りにする。
スライサーでも使った方が厚さが均等に薄くできるのかもしれないが、包丁で適当に千切りにすると、このバラつきが意外といいのかもしれない。
房はバラシて実をミキサーに掛ける。

皮と実とグラニュ糖を混ぜて煮込む。
グラニュ糖の分量は使ったみかんの総重量の半分の割合。

蓋をして弱火で煮込んでいくと煮汁に透明感が出てくる。こうなれば出来上がり。


 湯煎したビンに詰めて完成。みかんジャムはちっと手間が掛かるけど、これが案外美味いんだなw